toggle
2014-11-24

カンバン方式の思想

世界的に有名なトヨタのカンバン方式。

ジャスト イン タイムとしても知られています。

この言葉を聞いたことがある人はたくさんいると思いますが、具体的にはどういうもので、その背景は何だったのでしょうか?

戦後、「アメリカに追いつこう」というのが日本人の合言葉でしたが、当時の日本の生産性はアメリカの1/9と言われていました。

アメリカは車をつくる際に大量に部品を仕入れてコストダウンを図ります。このやり方は仕入れが大量であればあるほどコストダウンできるのですが、景気が低迷すると、途端に在庫の山を築いてしまいます。

当時の日本ではアメリカほど車が売れていなかったので、この方法を真似するのはうまくない。

さらに、日本の強みとしたい多品種少量生産でもちゃんとコストダウンできる方法はないか? 生産性が1/9というのなら、生産性を9倍以上上げるのはどうしたらよいか?・・・・そういう背景ありました。

このような中、大野耐一氏(トヨタ元副社長)を中心に試行錯誤の上でたどりついたのがカンバン方式です。

カンバン方式は、「ジャスト イン タイム」と「自働化」という2つの概念で構成されています。

従来の工程の考えは、材料→部品→ユニット部品→完成品と、前工程から後工程へ物を供給することでした。

ただ、前工程が、出来たものから順に後工程にドンドン送ってしまうと、後工程に物の在庫がたまってしまいます。すると後工程で作業を進めるのに、たくさんの在庫を整理しなきゃいけないし、探すのも大変だしと、ムダが発生します。また、結局、最終工程のところに大きな物の山ができてしまいます。

そこで発想を逆にして後工程から考えました。

つまり後工程が、必要な時に、必要な物を、必要な分だけ、前工程に引き取りに行ってはどうか? というのがジャストインタイムの発想の原点です。

前工程は後工程に引き取られた分だけつくればよい、ということになります。

工程間をつないでいるのが「カンバン」という依頼書です。

カンバンというと、室内の上の方に看板のようなものをぶら下げるのかと勘違いしそうですが、トヨタのカンバンは、依頼書をビニールに入れて手渡しするものです。

この発想を追求してできたのが「ジャスト イン タイム」です。

イン・タイムではなくジャスト・イン・タイム、であることが肝心ですね。

一方、自働化ですが、にんべんのある「働」という字を使っているのが重要です。これは不具合のある物ができた時には、機械が自動停止する、というものです。

自動だと不良品も一緒にラインに流してしまいますが、機械に不良品ができたら自動停止する自動停止装置をつけています。つまり機械に判断をさせる「働き」を入れるので、自働化というそうです。

人手作業においても異常があれば一旦ラインを止め、不具合を修正します。

不良品ができた時に、一時的に人が代わりやってしまうと、ライン工程の問題発見が先送りになってしまいますが、停止するというのは、不良品ができる原因をすぐに確認し究明する機会になります。

こうすることで、一人の人が1台の機械にはりつくのではなく、一人で複数台を見ることができ、効率が上がるのです。

カンバン方式は、当時のアメリカのスーパーマーケットからヒントを得ています。スーパーマーケットはお客さんが必要な物を必要な時に必要な分だけ買えるお店です。このお客さんを最終工程と見て、お店は売れた分だけ補充する。これを参考にしました。

これらを実現するために、視覚的に確認できる「あんどん」、後工程と前工程の「チームワーク」などが重視されたとのことです。

関連記事