toggle
2014-11-19

リーンスタートアップを再考する

リーンスタートアップは、スタートアップ企業にとって大変参考になる内容だと思います。本日はこれを今一度考えてみます。

リーン

 

随分前になりますが、私はエンタープライズ向けの比較的高額なソフトウェアプロダクトを開発する会社に少し関わっていました。 資金は順調に調達できていました。その資金を背景に、プロダクトを完成させ、代理店等の反応も上々、さあ売るぞということで、マーケティングとセールス、エンジニアの採用を加速させ、大きなイベントにも出店しました。

しかしながらプロダクトはあまり売れず、毎月、膨大な人件費が流出するという時間帯を長く味わうことになりました。

自社の仮説のみで製品開発を進めたため、その製品には需要がほとんどなかったこと、需要がないにもかかわらずプロモーション・セールスサイドの人員増加を加速させたことが原因です。

その後米櫃の底が見え始め、一旦人員を1/3に縮小し、とある事業会社株主さんから助言を受け、別のソフトウェア製品開発を行ったところ、こちらは順調に売れ始め、その後きちんと利益が出るようになりました。

このような経験をしていると、リーンスタートアップの教えには、深い納得感があります。

 

リーンスタートアップの要旨を今一度確認しましょう。

・ スタートアップ期は、ビジネスモデルを検証する時間帯と位置づける。この期間は会社が、どのような製品であれば顧客に受け入れられるかを学び取る時間帯である。

・ 学習時間を短縮するためには、製品を小さなに分け、それを開発しては潜在的顧客に見せて反応を見る、ということを繰り返し行うこと。

・ これを繰り返すことで、顧客がお金を出して買うに耐えられる製品にたどりつく。もし、たどりつけなければ、方針転換して(ピポッド)、別の製品を開発する。

要するに、自分たちがいま考えているアイディアが、本当に必要とされているのかを確かめながら製品開発を行ないましょう、ということです(by リーンスタートアップジャパン)。

この間、当初の顧客層にはニーズがなかったが、別の顧客層にはニーズがあった、という発見があるかもしれません。

資金調達ができたベンチャー企業でも、うまくいかないことが多いです。その理由は、売上高が立たない、あるいは、ユーザーが増えないことです。

この理由は、自社の製品を買ってくれる、あるいは利用してくれる顧客なりユーザーがいないことです。つまり、世の中が必要とするものを作っていないことに起因しています。

これは、有能な事業家の方が、自信があるからこそ犯しやすい間違いです。あの人が言うことなら間違いないと、周囲で異議を唱える人がいないものです。

また投資家からのプレッシャーが強く、あせってしまうことも理由の1つです。

ただ、ここで頭をかすめるのがスティーブ・ジョブズです。スティーブ・ジョブズを信望している起業家は多いと思います。自分の仮説を元に徹底的に製品をブラシアップし、完成品は顧客を圧倒する。自分たちもこれを目指すのだと。

しかし、アップル社の製品アイデアの始まりから製品リリースまでの時間は数年です。開発費もケタが違います。我々スタートアップには、そのような時間もお金もありません。だからもしこれを真似るとしても、事業を軌道に乗せてからの方が現実的と思います。

世の中にまだないプロダクトは、事前にリサーチしても答えは出てきません。実際に見てさわってみないことには。それ故、プロトタイプを開発途上で潜在顧客に見せて、その反応をうかがう、という行為の繰り返しが必要になってくると思います。

さらに誤った手段として、製品が売れないのは認知が低いからだとして、広告宣伝費を多額に使うことです。顧客から十分な手応えがない段階で広告宣伝費を使っても、効果は期待できません。その分、試行錯誤できる時間が短くなる、つまり、資金が尽きる期日が早まります。試行錯誤が必要なのに、その時間が短くなるのはつらいです。

あと、有能な人材の能力・労力・時間を誤った方向に使うというのは、給料を払っているにせよ、罪深い気持ちになりますし。

よって、潜在顧客の反応を見ながらプロダクト開発を進める、というのは極めて理想的な進め方だと思います。

よって会社の考えどころは、プロダクトをどのように小さな単位にして、感触を聞ける潜在顧客をどうやって探すか、ということになると思います。

関連記事