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2013-10-01

起業家をサポートするということ(2)

起業家をサポートするということ(1)の続きです。

では、経営をサポートするというのは具体的に何をするのでしょうか?

まずは戦略。企業経営における戦略というという言葉は、使う人によってニュアンスや定義が異なりますが、ここで言う戦略というのは、「会社の目的をはっきりさせることと、成長のために今フォーカスすべきことを1つ決めること」です。フォーカスすることを複数上げると力が分散するので、1つ決めることがポイントだと思います。

起業家は、ほとんどがプレイングマネジャーです。諸事雑事も対応しなければなりません。特に、まだビジネスモデルが固まりきっていない段階では、やること全てが初のことで、その場その場での対応になります。朝令暮改は当たり前。こうなると、どんなに優秀な起業家でも、目の前のことをやっつけることに時間をとられ、どうしても近視眼的になります。結果、戦略から目がはずれてしまいます。そこを補完するのが、サポートの役目です。サポートは起業家の様子や状態を冷静に見て、起業家の戦略的視点が薄くなっていたり、見失っていたりする時に補わなければなりません。毎日、毎週することはない。でも、必要な時にサポートしなければなりません。自ら戦略について日頃から考え、必要な時に「当社の目的はこういうことでしたっけ?」「ここにフォーカスしてはどうですか?」と起業家に問いかけることです。起業家は戦略的視点を持っていないわけではなく、頭の奥にとどまっていることが多いです。よってこのような問いかけをされると、戦略脳が途端に動き出し、我に返ったように戦略を見据えます。潜在的に考えていることが顕在化されるわけです。しかし、しばらくすると、また目先の業務に負われるので、戦略脳が引っ込んでしまう。だから「当社の戦略はこうですよね」ということを、タイミングを見てミーティング等の時に時々注入する。こうしたことが、サポートの大きな役割だと思います。会社の現場から遠いところにいては、具体的な戦略サポートは限定的で、社員のことや商談など、会社の状態を肌感で知っていると、よりよいサポートができると思います。

事業をつくるのは人ですから、いい人材が入ってきて、その能力を発揮することが大切なテーマですが、人材採用は、まず戦略が定まっていることが前提になりますよね。戦略に添って、戦術を考えるときに必要な人材が定まります。

私が思うに、いい人材の獲得は、経営者(経営陣)および事業の魅力でほぼ決まると思います。優秀な人材は給与額というより、「この会社に入りたい」と思うような経営者と事業を求めていると思います。自社がやろうとしている事業や将来構想を伝えること、結局、戦略を定めることがその根幹になると思います。

お金。お金が尽きたら会社は終わりですから、お金に余裕があってもなくても、お金の管理と使い方がとても重要です。現在の資金残高はいくらで、これからお金の増減はどうなるのか?向こう3ヶ月、半年、1年後の資金はどうなるのか?あるいはどうしたら増やすことができるのか?今後の売上の見通しや人材採用の予定などを考えながら、あるべきシナリオ、保守的なシナリオなど、いろいろとシミュレーションして、最悪の場合どうするかも考えなければなりません。お金の調達計画、調達準備も行いつつ、調達ができなかった場合のことも想定しておく必要があります。

また、新しい事業を行う時は、その事業を立ち上げるのにいくらかかり、マネタイズできるまで時間軸も考えます。

私は以上のようなことが、経営をサポートすること、の1つのあり方と思っています。この役回りは、サービス開発やマーケティングや営業と比べると地味で、一見目立たぬ存在だと思いますが、この配役はそれでいいのです。あくまで起業家をサポートするのが役目ですからね。

もちろん、他にも経営をサポートすることはあると思いますが、経営者の二つの眼の一方を確実に補うこと。これが経営をサポートすることだと思います。

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