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2013-02-28

ベンチャー企業への転職を考える時、知っておくべきこと2

以前、「ベンチャー企業への転職を考える時、知っておくべきこと」というエントリーを記載しました。http://www.y-associates.net/archives/516

今日は前回に引き続き、ベンチャーへの転職について何かお役にたてればよいな、と思って記載します。ベンチャー企業で働く場合ですが、以下のような姿勢で臨んだらいいのではないかと思います。

・人や会社の役に立とうとすること

・役に立つために自分を向上させようとすること

・逃げないこと

<人や会社の役に立とうとすること・自分を向上させること>

 ベンチャーに転職しようとする人の多くは、自分の能力を向上させたい、スキルアップしたい、もっとやりがいが持てる仕事がしたい、などなど、目的意識があります。これはとてもいいことだと思います。いずれは起業、と考えてベンチャーに転職することでもいいと思います。でも、自分のためだけではなく、やはり会社の役に立ち、成果を挙げたいですよね。

 先日、ある若い方とお話したのですが、その方は現在、大手企業に勤めていて周囲から優秀だと思われています。今後のキャリア形成を考えて、向こう10年くらいの具体的転職先・経歴イメージを持っていました。それはそれでいいのですが、でも今後勤める転職先はその人のステップアップのために存在するわけではありません。

 ビジネスは等価交換で成り立ちます。人が商品を買うのは、「商品から得られるメリット>=支払うお金」の場合です。もし、商品から得られるメリットの方がものすごく高いと、買い手側が「是非とも売ってください!」という状況になります。給与も同じです。会社が給与を支払うのは、それに見合う労務対価を会社に提供してもらうからです。この基本的な仕組みがわかっていない人は案外多いと思います(もちろん、よくわかっている人もいて、本当によくやっている人もいます)。本質的には、給与は成果と引き換えに支払われるべきものですね。あるいは、最初は成果が出せなくても、将来成果を挙げて埋め合わせる、というのが本来あるべき姿ですね。会社は当然ながら、役に立つ人、成果を挙げる人は辞めないでほしいと考え、いろいろと配慮するようになります。ベンチャーで働くのであれば、まずは成果を出し、会社側から「絶対に辞めないでくれ」と言われるように努力した方がいいと思います。なぜかと言うと、スキルアップというのは、単に新しい仕事を覚えたり、技術を習得したりするだけでは足りず、会社に成果を残して初めて養われたと言え、誇れるものだからです。

 <自分を向上させる環境>

 ベンチャーでは大企業より多くの権限を与えられますが、正確には、権限を持たざるを得ない、というのが正しいかもしれません。自分でよく考え、それを積極的に会社に提供し、創意工夫を自らしないと、成果が生まれないからです。この理由は、会社が、安定的に売上が上がる仕組みができていないからです。社員は権限を持つのと同時に、会社の浮沈を大きく担うことになります。

 私がかつて就職活動した時に、大手企業の人から、「当社であれば、何百億規模の大きな仕事ができる」、「当社なら世界を股にかけた仕事ができる」と言われました。でもこれは、長年培ってきた会社の信頼性・資産、ネームバリュー、多額の資金と多くの人材があるからですね。当人は、最初は「何百億円の仕事を俺はやっている感」を味わうのですが、有能な人はそのうち、自分の力の範囲がいかに小さいかを知るようになります。

 それに比べるとベンチャー企業の商談規模は小さいのですが、会社の知名度・経営資源の乏しい中でやるので、個々人の担わなければならないものは相当大きくなります。そうなれば他人事ではなく、自ら知恵を出し、行動しなければなりません。経営者自身も試行錯誤ですから社員からの提案を欲しています。こういう環境に置かれるからこそ、自分の力が伸びるわけです。そしてうまくいった時の喜びは規模が小さくとも格別ですね。これがあるからベンチャー企業で働くのは本当におもしろいし、向上心のある人にとっては、自分の実力向上ができる環境だと思います。

 <日本の労働法>

 話は変わりますが、私は今の日本の労働法には大いに疑問を持っています。私の目からは労働者過保護に見えるからです。この労働法を盾にとって、まともな労働対価を提供せずに給料を取っている人がどれほど多いことか。よくリストラされると、労働法を振りかざして会社に裁判を起こすぞと言ってみたり、やれ、いくら退職金を追加で払え、と言ったりする人がいます。会社を脅したり突っかかったりすれば何かでてくるかもしれない、という考えです。私はこのような人に何人も接したことがありますが、リストラされてこのような行動をしている人の多くは、在籍期間中にまともな成果を挙げていません。確かに、中には会社側に大きな不手際が原因で同情することもあるのですが、給料泥棒だった人たちがいるのも事実です。労働基準監督署は現行法に則って会社を指導しますが、理不尽な訴えをする労働者も多いので、最近では監督署ですら労働者の言い分を最初から全て鵜呑みにしていないように思います。

 <逃げない姿勢>

 私は、いくつかのベンチャー企業で人材採用の面接をしていたこともあります。今でもよく覚えている方がいます。その方は前職の会社が倒産したので転職活動しているという方でした。一般的に、自分のいる会社がつぶれそうだとわかったら、倒産したら転職に不利になるから、と真っ先に辞める人がいます。給与が出なくなったら困りますし、各自いろいろな事情があるので、それを責める気は全くありません。私も、勤め先が倒産したことがあります。当時、役員や職位の上の人の中にも、会社が危機に瀕して社員が不安な日々を送っているにもかかわらず、仕事や部下のことをほったらかしにしてとっとと転職した人がいました。(ちなみに私は、この会社の事業譲渡のプロジェクトに入り、事業譲渡の実現に携わる機会を得ました。この事業譲渡先が安田企業投資という会社です。)

 話を戻しますが、面接に来られた方はまだ若いのに、上司が会社を辞めてしまったので、リストラされた人たちの職業を斡旋したり、リストラされた人の話し相手になったり、経営者に同行して債権者や株主に謝って回ったりしたとのことでした。こうした「最後まで逃げない人」は信頼できる人です。スキルセット云々より、このような姿勢の方が素晴らしいと思います。多数の採用応募者がありましたが、私はその方にいち早く採用オファーを出しました。ただ残念ながら、その方はもっといい会社に採用されました。「やっぱりなー」と思いました。逃げない姿勢、悪い環境の中でも職務を全うしようとする責任感は本当に魅力的です。危機的状況になるとその人の人間性や人柄が出ますね。前職の会社が倒産したことなどどうでもよく、どのような姿勢で仕事に取り組んできたかの方がはるかに重要だと思います。

 長々と記載してきましたが、やはり役に立つこと(成果)を追求すること、それがスキルアップやステップアップにつながること、そして逃げない姿勢・責任感のある姿勢がビジネスマンとして生きてゆく上で最も重要な「信頼」につながるのだと思います。

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