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2012-12-19

2008年に上場会社のうち成長を遂げている会社 エス・エム・エス

2008年に新興市場に上場した会社のうち、売上規模1,000億円の大会社を除き、これから数社、見てみたいと思います。まずは上場後も成長を遂げているエス・エム・エス社。

エス・エム・エス

上場日2008年3月 東証マザーズ

介護事業者・ケアマネジャー、栄養士・薬剤師・看護師向け就職・人材紹介・コミュニティサービス。

業績推移(金額:百万円)

2008.3

2009.3

2010.3

2011.3

2012.3

売上高

2,715

5,177

7,172

7,618

8,380

経益

415

1,238

1,266

1,520

1,735

2003年4月に設立された会社ですので、設立5年程度で上場したことになります。

ざっくり言うと、介護、医療分野の事業者向け人材紹介事業サイト、介護・医療に従事する方々の就職・転職紹介サイトおよびSNSの運営を行っています。まず、2008.3期から2009年3月期の伸びが大きいですね。内訳を見てみます。

(金額:千円)

2009.3期

前年比%

介護分野向け

 人材紹介事業

 メディア事業

 新規事業

1,519,105

392,032

1,077,875

49,196

130.5

139.4

129.1

102.4

医療分野向け

 人材紹介事業

 メディア事業

 新規事業

3,653,918

3,237,954

413,466

2,496

237.2

259.2

142.2

452.5

アクティブシニア分野向け

 新規事業

4,198

4,198

40.1

40.1

合計

5,177,221

190.7

どの事業も総じて高い伸びを示していますが、医療分野向け人材紹介サービスが倍以上増加したことが、高い成長の大きな要因です。

有価証券報告書によると、看護師・准看護師に特化した人材紹介サービス「ナース人材バンク」および薬剤師に特化した「ファーマ人材バンク」は、慢性的な医療従事者の不足を背景に著しい業績の伸びを示したとのことです。

人材紹介サービスは、最近話題のリブセンス社を含め多数の会社が存在しますが、介護・医療という特定領域で、かつ人材不足である同領域の事業を行っていることが、成長の主な要因の1つと思います。この領域での競合はあまりなさそうです。ある意味ニッチ戦略、ランチェスター戦略的な取り組みが功を奏している結果になっています。同社の経営理念は「高齢社会に適した情報インフラを構築することで価値を創造し社会に貢献し続ける」です。従業員数は直近500名以上、平均年齢は30歳。

最近の売上高の内訳を見てみましょう。(金額:千円)

(参考)

2009.3期

2012.3期

前年比%

(2011.3期比)

介護分野向け

 人材紹介事業

 メディア事業

 新規事業

1,519,105

392,032

1,077,875

49,196

1,458,715

494,872

752,419

211,423

117.1

114.7

106.7

192.2

医療分野向け

 人材紹介事業

 メディア事業

 新規事業

3,653,918

3,237,954

413,466

2,496

7,195,419

5,920,948

971,530

302,940

113.0

114.9

81.7

アクティブシニア分野向け

 新規事業

4,198

4,198

750

750

-61.5

-61.5

合計

5,177,221

8,654,884

113.6

2009.3期と2012.3期を比較すると、引き続き医療分野向け人材紹介事業とメディア事業が伸びていることがわかります。介護事業はメディア事業が減少し、介護分野向け全体を少し下げる主因となっています。

同社は上場後も着実に成長を遂げていますが、その要因として、上場時点から複数の事業分野を持っているということがあると思います。事業ポートフォリオを上場前から持っていると、1つの事業が軟調でも他でカバーできます。

平成24年3月期の有価証券報告書の対処すべき課題の中には、既存事業の効率化のほか、新規事業の強化、M&Aの意向について触れられています。また、既に中国、ベトナム、台湾、韓国に現地法人を設立し、アジア進出をしています。現状は医療の人材紹介、メディアが成長していますが、これが頭打ちになった時のことを想定して、次の柱を早く築きたいということの顕れだと思います。1つの事業が成長しているうちから次の成長事業を創ること。柱となるような事業をつくるには数年はかかりますからね。これが上場ベンチャーの継続成長には必要であると思います。

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