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2012-11-20

気になる会社!エー・ピーカンパニー

2012年9月25日に東証マザーズに上場したエー・ピーカンパニー。上場承認時からとても気になる会社でした。気になるというのは悪い意味ではなく、とても興味深いという観点からです。

まずは業績推移からです。金額単位:百万円

        H20.3

       H21.3

        H22.3

       H23.3

        H24.3

売上

1,294

1,972

2,987

5,233

8,320

経常

41

53

94

192

462

一貫して右肩上がりの業績で立派ですね。リーマンショックや大震災の時期を経ていますが、業績は下がっていません。H24.7現在、直営店は83店舗、ライセンス供与店44店舗となっています。

同社はH13.10に設立された会社ですから、創業約11年で上場した会社になります。飲食店としては比較的短期での上場となると思います。

事業内容は飲食店および食品の販売ですが、ユニークなのは市場や卸売事業者を通さず、農水生産者から直接仕入れる、あるいは自社生産しているところが特徴です。食品の場合、在庫や流通の観点から市場を通した方が価格は高くなりますが面倒なことが少なく都合がいいのですが、生産者から直接仕入れることで、鮮度のよいものを消費者に提供でき、かつ、生産者と自社に経済的メリットをもたらすことができます(通常は生産地から店舗まで3つか4つくらいの卸売市場を経由します)。生産・消費の直結モデルというのは昔から理想でしたが、実現している企業は少ないのが現状です。それを同社は成立させているところが同社の強みだと思います。

日本の農水生産者は衰退傾向にありますが、その最大の原因は価格下落です。生産者から消費者に届くまでにいくつもの卸を経由するので、コストが膨らみ、かつ、最終小売価格は低価格傾向ですから、そのしわ寄せが生産者にいっています。生産者は高齢者が多く、生産一筋の方も多いので、独自の販路開拓や価格交渉力も弱いと思います。また、生産者は消費者と直接顔を合わせる機会がないので、消費者ニーズを直接感じ取ることもできません。同社では生産者と頻繁に会議をして生産量の調整をしたり、生産者は同社と共に消費者ニーズを知ったりと、卸売市場に納めるだけの生産者から消費者を意識した農業経営者に変化していっている方もいるようです。また、イベントに生産者を招待して皆の前で生産方法や苦労や生産物への愛情など、生産にまつわる話をする機会を設けています。それにより、店舗スタッフもお客さんへの説明に生かすなど、お客さんサービスの充実につなげているようです。同社はCIS(Customer Impressive Satisfaction:顧客感動満足)を標榜していますので、社員やお店で働く人たちにCISを教育しているものと思います。そして同社は飲食業界のSPAモデル(ユニクロのように生産から小売まで自社で一貫して行う業態をSpeciality Store Retailer of Private Label Apparel、略してSPAと言います)に近い事業を行っています。

財務的に驚きなのは、上場まで資本金20百万円であることです。VCなどの投資家や事業会社などの出資者が入っていません。その分、H24.3期総資産4,895百万円に対して負債が4,293百万円と負債比率が88%となっています。資金面は銀行借入で行ってきたようです。H24.3期売上高8,320百万円に対し売上総利益は5,657百万円と売上総利益率68%。ただ、出店数を増加させていることから出店費用が販売管理費を増加させているようで、また、銀行借入や社債の利息など、金融費用が56百万円となっており、経常利益は462百万円となっています。(出店してからお店が黒字化するのには一定期間かかりますので、出店を加速すると利益を圧迫します。)

上場時の公募増資額は762百万円。H24.9の中間期では利益を計上しているので、負債比率は75%まで下がっています。今後さらに業績を伸ばして株価を上げ、東証1部または2部に変更し、そのタイミングで再度公募増資をして財務面を強化したいのではないかと思います。

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