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2012-10-23

新興市場に上場後、成長を遂げているのはわずか18%!成長している企業はどのような会社か?

5年前に新興市場に上場した会社が、その後成長を遂げたかどうか、先日、簡単ではありますが調べてみました。2006年と2007年に上場した会社です。

http://www.y-associates.net/archives/165

 5年ほど前の上場時と、直近の業績を単純に比較しただけですが、結果をみると、上場時の経常利益と比べ直近の経常利益が2倍以上になっている会社はたったの全体の18%、経常利益が3倍以上になった会社はわずか11%です。

この間、リーマンショックや3.11がありましたが、こうした環境の悪さにもかかわらず、経常利益が3倍以上になっている会社はどのような会社なのか、具体的に見てみましょう。

経営努力以外に、成長したと思われる背景を考え分類してみました。

会社名

業種

店舗

増加

事業

転換

市場

拡大

M&A

EC

製造

ドリコム

ゲーム

トリドール

飲食業

ハブ

飲食業

クオール

調剤薬局

ティア

葬儀場

ビットアイル

データセンター

メディカルケアサービス

介護ホーム

三栄建築設計

不動産販売

会社名

業種

店舗

増加

事業

転換

市場

拡大

M&A

EC

製造

ゼットン

飲食業

MonotaRO

部品EC

クルーズ

ゲーム

ファーマライズ

調剤薬局

ダイヤモンドダイニン

飲食業

イーギャランティ

金融

フリービット

ISP

ニューフレアテクノロジー

装置製造

UBIC

電子データ

会社名

業種

店舗

増加

事業

転換

市場

拡大

M&A

EC

製造

コシダカ

カラオケ店他

きちり

飲食店

スタートトゥデイ

アパレルEC

 

新規上場企業は、IT・ネット関連の会社が多いですが、上場後に成長しているのは、意外と店舗系の会社が多いですね。うまくゆく店舗のひな型が出来上がっていると、それを増加させてゆくという、わかりやすくシンプルな形で成長しています。(もちろん、現場の苦労や思考錯誤、大変さはあると思います)。

 

数社について、少し個別具体的に見てみましょう。

ドリコム(事業転換型)

H20.3

H21.3

H22.3

H23.3

H24.3

売上高

726

609

1,608

2,632

7,187

経常利益

△310

△166

69

96

1,348

上場時はブログの会社として、売上高703百万円、経常利益225百万円でデビューしましたが、その後従来事業が伸びず苦戦。M&Aとモバイルコンテンツ事業へシフトし、ブログ事業の一部から撤退。現在はソーシャルゲーム開発が売上の中心になっています。

H20.3期の事業セグメントは、1)ブログ事業と2)検索エンジン事業でしたが、現在は、1)エンタメ事業、2)マーケティングソリューション事業(ブログ事業の一部はこの中で継続)です。直近業績はエンタメ事業が売上高6,460百万円・経常利益1,466百万円、マーケティングソリューション事業が売上高748百万円・経常損失△113百万円となっています。

上場後、いろいろと事業転換を行うことで、現在の成長事業を生み出したと言えます。

 

トリドール(出店増加型)

H20.3

H21.3

H22.3

H23.3

H24.3

売上高

16,455

24,519

38,929

48,835

61,075

経常利益

1,385

2,707

4,724

4,567

6,497

上場時は、「とりどーる」という焼き鳥居酒屋チェーンがメインでしたが、上場後、「丸亀製麺」という讃岐うどんのチェーンが人気となり、現在は「丸亀製麺」が成長を牽引しています。個人的にも丸亀製麺は安くておいしく時々利用します。

 

クオール(出店増加+同業M&A型)

H20.3

H21.3

H22.3

H23.3

H24.3

売上高

38,002

49,010

56,305

60,915

66,201

経常利益

1,298

1,506

2,032

2,807

3,238

調剤薬局事業。きれいな成長ですね。出店だけでなく同業者からの店舗の譲受やM&Aによっても成長が促進されています。採算の合う出店と調剤薬局運営ノウハウが完全に確立されているのだと思います。その他の調剤薬局の会社も調子がいいのは、好不況に左右されにいというのがあるかもしれません。

ちなみに、上記のティアと言う会社は葬儀場運営ですが、こちらも好不況に左右されにくいと思います。

 

UBIC(市場増加型)

H20.3

H21.3

H22.3

H23.3

H24.3

売上高

810

1,015

945

2,704

5,132

経常利益

106

△76

△222

1,012

2,286

法定紛争(特に米国)の証拠開示における電子データの開示支援事業。ニッチではありますが、紙・書類よりも電子データでのやりとりが多くなってきていることから、市場が増加傾向にあります。また、ノウハウが必要であり、参入障壁がある程度ある事業と思います。H21年はリーマンショックで影響が甚大で、特に価格面の下落を受け入れざるを得ず、苦労した跡が見られますが、H23.3期、H24.3期と市場が米国に留まらず、欧州、アジアに拡大してきたこと、国際的行政調査が急増したことにより、好調な業績につながっています。

 

フリービット(同業および周辺事業者M&A型)

H20.4

H21.4

H22.4

H23.4

H24.4

売上高

8,074

10,767

14,709

23,282

21,810

経常利益

702

1,522

804

219

1,027

ISP事業がメイン。上場後、ドリーム・トレイン・インターネット、メディアクルーズ、KFEの子会社、メディアエクスチェンジ、フルスピード、ベッコアメなど、懐かしい企業を含め、M&Aで大きくなってきた会社です。

 

スタートトゥデイ(EC:自社市場拡大型)

H20.3

H21.3

H22.3

H23.3

H24.3

売上高

8,584

10,969

17,159

23,801

31,806

経常利益

1,724

2,220

3,247

5,865

7,617

素晴らしい業績推移ですね。ZOZOTOWNなど自社ECの運営。ブランド品を含むアパレル用品のECで事業を伸ばしています。

 

新興の上場企業は、上場後はさらなる経営力が要求されると思います。上場を準備しながら上場後の成長シナリオをずっと考え、既存の事業が好調なうちに、次の展開を具体的に進めて行かないと上場後の成長は難しいと思います。

一方、上場すると、ある程度資金力ができるのと信頼と知名度は大きくなり、また、株式交換も上場株式との交換であればやりやすく、結果、M&Aもやりやすくなります。

 

自社事業の成長度合いを上場前後に見極め、上場後にどのように成長シナリオを描くか?上場するのは大変なことですが、上場後のことも予め真剣に考え、行動に移しておく必要がありますね。

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