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2016-11-19

Facebookにはどれくらいお金があるのだろう?

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Facebookはいまどれくらいのお金を持っているのでしょうか?

まずは、facebookの2016/6のバランスシートの概要を見てみましょう。
話を簡単にするため、$=100円で計算し、かつ、概数で示します。

預金・それに類するもの 2.3兆円

その他の資産      3.2
合計          5.5

負債          0.5
自己資本        5.0
合計          5.5

すぐに使えるお金が2.3兆円もあります。すごいですねー。
ちなみにヤフー(ジャパン)はざっくり5,000億円くらい、価格コムは250億円くらい。

ちょっと専門的になりますが、自己資本比率が90%とむちゃくちゃ高いです。借入金が多額にあるわけでもないので、ピッカピカの財務内容です。


収入状況は?
2015.12期の1年間で見ると、売上高1.8兆円、税引き後の利益で3,600億円。売上も超大きいし、めちゃくちゃ利益率が高いです。

税引き後の利益3,600億円というのは、単純に考えると1年間で3,600億円の現金が増えることになります。実際は会計上で償却処理など現金の支出とは関係のない費用が計上されているので、Cash Flow Statementでは4,900億円の現金が増えています。

ちなみに2015年12月の社員数は約13,000人。単純計算ですが、社員1人当たりの売上高は1億3,000万円、利益は2,800万円。同じ方法でトヨタ自動車で計算しても、1人当たり売上高は8000万円、同利益は650万円ですから、やはり驚異的な生産性です。

過去の業績のトレンドを見てみましょう。

(単位:兆円)

  2015.12 2014.12 2013.12
売上高 1.8 1.2 0.7
営業利益 0.6 0.5 0.3


そして、今年の四半期ごとの業績は以下です。

(単位:兆円)

  2016.3 2016.6
売上高 0.5 1.1
営業利益 0.2 0.4

売上高が2兆円近くある会社なのに、まだ成長しています。今年の上期ですでに売上高約1.2兆円ですから、2015年1年間と同じぐらいの業績になっています。

facebookは2004年にできた会社。たった10年で兆円企業になりました。昔では考えられないスピードですね。これはプロダクトがとても秀逸であること以外に、足し算ではなく掛け算で普及するインターネットのネットワーク効果によるところが非常に大きいと思います。


KPIは?

まずFacebookのMAU(Monthly の推移です(Facoobook公表資料を掲載。単位は百万人)。

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2016/6でMAUが11億人ということですね。

DAU(Daily Active User)/MAUが66%ですから、DAUは約7億人いることになります。

ちなみに全世界の人口は70億人。
ネットにつながっている人口は30億人。
ということで、ネットにつながっている世界人口の3人に1人がFBユーザーということになりますね。

 

売上高の内訳は?
1兆8000億円の売り上げのうち、ほぼ全ての1.7兆円強が広告収入です。
一般に、広告を出す側は、
「より的確な人に、よりたくさん見られたい。」
という要望があります。

facebookは、世界中に11億人ものユーザーがいて、平均滞在時間は1日22分と言われています。これは、ウェブサービスとしては相当長い。
個人情報、趣味嗜好が細かくわかるので、広告を出す側としても、広告を表示したいユーザーをセグメントして出すことができます。

広告を受け取るユーザー側は、本音は広告は「邪魔」ですが、無料でFBを使っているのと引き換えに、
「なるべく邪魔にならないもの、役に立ちそうなものにしてほしい。」
ということになると思います。

適切にセグメントされて表示される広告は、他と比べれば邪魔になりにくく、興味があれば、むしろ役立つ、ということになります。

確かに、Facebookの広告は、郵便ポストに入っている大量のチラシや、通常のバナーとは違う気がします。

このようにしてみると、facebookは新しいウェブ広告のために生み出されたようなサービスのように思えますが、実は全く異なります。

 

過去のFacebookって?
少し歴史をさかのぼってみましょう。
以下、「フェイスブック 若き天才の野望(日経BP)」の中に記載されている内容です。
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2004年2月創業。元々は大学内の学生同士の情報共有サービスが始まり。あっという間に学内で使われるようになると、別の大学、高校に対象を広げた。

学校内のクローズドな情報共有だったので、ニュースフィードを導入した時には一部のユーザーから大ブーイングを喰らう。ザッカーバーグは謝罪。

その後、学生以外の一般の人たちが使えるように開放。

しかし一般開放の前段階では、「一般に開放すると、これまでの学生が離れていってしまうのではないか?」「そんなのうまくいかない」と周囲は反対。

ビジネスモデルとしては、学生のネットワークとして、多様な収益機会を追求する、というシナリオが確からしかった。株主である著名なベンチャーキャピタリスト、Accell PartnersのJim Bryerも、一般開放には難色を示した。

ザッカーバーグ氏自身、マネタイズに全く興味を示していなかった。ひたすらユーザーに使われるサービスになることに注力し、ユーザー体験の邪魔になるような広告は載せたくないと。

しかしマネタイズも考えなければお金がなくなってしまう。マイクロソフトがfacebookの広告世界展開のパートナーとなるため、facebookに有利な条件で広告代理契約を締結。この時はまだ、バナー広告の契約。時価総額1兆5000億円での出資はこの広告契約の一環。

その後2008年にシェリルサンドバーグ氏がGoogleを辞めてCOOに就任。その後、様々なディスカッションを経て、現在の広告の元となるエンゲージメント広告が発明され、マネタイズの主力となってゆく。
—————————-

今では当たり前に全世界の人が使っていますが、昔は一般開放にネガティブな人が多かったのですね。

また、現在のマネタイズ方法は後付けで発明されている点が見逃せないところです。ユーザーの圧倒的な支持を取り付けるのが先、というのは、ネットサービス特有の事業の進め方ですよね。


Facebookの肝は何か?

好調な業績を支えているのは何でしょうか?
まず、facebookのミッションを見てみましょう。

“ Facebook’s mission is to give people the power to share and make the world more open and connected. People use Facebook to stay connected with friends and family, to discover what’s going on in the world, and to share and express what matters to them.”

意訳すると、「共有する場を提供し、世界をオープンにし、世界中の人と人とを結びつける。」ということでしょうか。

より多くの人々が、facebookを、ディープに使い続けること。
この当たり前のことこそが、facebookという事業の根幹と言えます。

Facebookは、情報を発信したい・共有したい、知りたい、つながっておきたい、という人間の潜在欲求を顕在化させ実現させました。

ユーザーは、情報発信・受信を通じてネットワークを維持・拡大することができるメリットがあり、Facebookはより多くの個人の情報を収集する。そのために、日常にFBを定着させ、ずっとずっと使い続けてもらえるようにプロダクトに磨きをかける。

では、課題は何なのでしょうか?
少し長くなったので、次回にします。

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