toggle
2012-10-18

ソフトバンクのイーアクセス買収。実はイーアクセスの経営力のすごさを垣間見る。

ソフトバンクの米スプリントネクステル社買収で、イーアクセスの買収の件が少しかすんでしまいましたが、イーアクセスの買収、実は、イーアクセス側の経営力が光っていると強く感じる次第です。

イーアクセスは、元々はADSLの通信サービスをやっていましたが、最近の強みはネットとPCをつなぐWIFI小型ルーター(PocketWifi)の「イーモバイル」です。モバイルフォンではなかなかできなかったところを、イーアクセスが早くから間隙をぬって事業展開し、今日では売上高2,000億円、経常利益120億円の会社に成長しました。2000年頃に立ちあがったベンチャー企業ですので、10年ちょっとで売上高2,000億円の企業まで育ったというのは日本では驚異的なことです。ちなみに設立当初からコア経営者は変わっていません。

大手通信キャリアが、デザリングサービス(スマホをWIFIの中継端末にするサービス)をやることは、以前から水面下で進んでいましたが、実際にauがサービスを開始、ソフトバンクも12月よりサービスを開始予定。このスケジュール感もある程度以前から想定されていることです。

恐らくイーアクセスは、以前から会社売却の選択肢も視野にあったのではないかと思います。

実際、こうした動向を見据えた上で、経営者が単独登頂にしがみつかず、会社売却に踏み切ったこと。まだダメージを受けないうちに、業績がいいうちに会社を売却すること。

あと1年経てば業績が下方に向くことは目に見えているので、その時では企業価値は下がってしまいます。まだ業績がいいうちに会社を売却すれば、株主に報いることができる。そう考えての会社売却だと思います。このような考えは、普通の経営者、まして売上高2,000億円にまで自ら育てた経営者ともなれば、なかなか決断できないことです。株主価値を考えるからこその判断だったのでしょう。

会社の買い手側からすれば、今後イーアクセスの業績が下方に触れるのは想定されますから、もう少し企業価値が下がってから買収すればよい、と考えるかもしれません。

しかし、イーアクセス経営陣は当然にソフトバンク1社と話をしていたわけではないと思います。恐らく複数のキャリア、それも海外を含めたキャリア等に会社売却の交渉をしていたと想像します。買い手側はそんなことは十分承知していますから、逆にイーアクセスの顧客を他社にとられるくらいなら自分のところに取り込みたいと思う会社は複数あるしょう。

こうすることで、企業価値の値崩れを起こさないうちに、人材が流出しないうちに、そして、交渉を長引かせずに話をまとめたのだと思います。

てなことを、ソフトバンクのイーアクセス買収は想像させてくれました。イーアクセスのコア経営者である千本会長、エリックガン社長。いずれも恐ろしく凄腕の経営者だと想像してしまう次第です。

PS1.過去、イーアクススがまだ上場前の資金的に厳しい時に、旧日本テレコム(旧ボーダフォン)から大型の資本提携で資金難を乗り切りました。その時、日本テレコムは当時のADSL事業者の東京めたりっく社と比較してイーアクセスを選んだと言われています。

東京めたりっくはその後厳しくなりましたが、ソフトバンクが買取り、ソフトバンクのADSLサービスの基礎となりました。

その後、日本テレコムはボーダフォンに、ボーダフォンはソフトバンクになりました。ただ、ソフトバンクは確かイーモバイルとの資本提携をどこかのタイミングで解消していたと思います。

そして今般の企業統合。いろいろとめぐりめぐるものですね。

PS2.半年くらい前に、PocketWifiの契約を2年延長してしまったのは、少々痛いです・・・・。

関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。