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2012-09-28

社外取締役の役割。適格な人とは?

今回も引き続き上場会社、上場準備会社にフォーカスして考えます。

取締役会の目的が、「長期的な企業価値の向上の実現」であり、企業成長と不祥事未然防止であるとすれば、社外取締役に期待するのは、モニタリング機能と質問機能です。

監視という言葉は、悪いことをしていないかどうか見張るだけのイメージになるので、モニタリング機能と言った方が受け入れられやすいかもしれません。

私はVC時代、数社のベンチャー企業の社外取締役を務めた経験があり、最も古くは2003年くらいに就任したと記憶しています。

当時から社外取締役を、アドバイザー機能を含む支援的役割とモニタリング的役割と考えていました。

VCとしては、企業成長につながる様々な支援をしますし、また、投資したお金が適切に使われているかどうか、モニタリングします。

ただ、実際は、経営者と一緒に協議してお金の使い方を考えますので、厳密にはモニタリングではないですね。

ではアドバイザー機能とモニタリング機能のどちらが優先されるべきでしょうか?

上場会社において優先されるのはモニタリング機能だと思います。

なぜなら、取締役会で足りない部分はモニタリング機能だからです。アドバイザー機能は顧問やコンサルタントでもいいわけです。しかし、モニタリング機能はそうはいかず、取締役としての善管注意義務と議決権を持ちながら臨むことが、社外取締役の存在意義です。

しかし、その前提条件として最も重要なのは、社外取締役自身、自分の役割が「長期的な企業価値向上」であることを強く認識し、企業価値向上に対する強い気持ちを持つことが必要だということです。

社外取締役は業務執行者ではないので、ダイレクトに業績向上につながる行為はできませんが、いかにして長期的に企業価値を向上させるか、について自身でもよく考えて臨む必要があります。ここが欠落していると、どんな著名人が社外取締役になっても期待した効果は得られません。

東証のコーポレート・ガバナンス白書では、社外取締役がどのような経歴の方々なのか統計されています。

現役経営者、経営者OB、弁護士、会計士、税理士、コンサルタント、学者さん・・・。

よく、現役経営者あるいは経営者OBだった人が適任と言われます。しかし、経歴や職業よりも本人がどのような姿勢で臨むか、の方が重要です。現役経営者は、自社の経営で多忙を極めていると思いますので、欠席が多いようではダメですし、会議中うわの空では困ります。機能しなければ意味がありません。

また、例えば弁護士や会計士の方も、企業経営をわかる人でなければふさわしくない。法律や会計の専門家であれば社外監査役の方が適切かもしれません。

有価証券報告書の取締役の一覧や株主総会の取締役選任議案で、確かに立派な経歴の方が社外取締役になっている方が見栄えはいいのですが、見栄えと実効性は別だと考えるべきと思います。

新興の上場ベンチャー企業では、特にこのような見栄えに目移りする会社が多いと思います。株主にとっても会社にとっても、そして経営者にとっても、果たせる機能でよく考えた方がいいと思います。一度、社外役員に就任してもらった後、機能しないことがわかっても、すぐに辞めてもらうわけにはいかないですからね。

次回は実際の取締役会での社外取締役のあり方を通じ、もう少し社外取締役の役割と適格性について考えてみたいと思います。

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