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2012-09-24

東証が上場会社にコーポレート・ガバナンスについて強く言及する理由とは何か?

東証はなぜ上場会社のコーポレート・ガバナンスの強化に力を入れているのでしょうか?

東証一部の全銘柄の時価総額の合計金額について、1968年1月4日のそれを100とした場合の指数をTOPIXといいます。1983年以降のTOPIXを線グラフで表すと以下のようになります。

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1983年の年末の指数が731に対し、2012年6月末で丁度同じ731。

つまり、30年間株を持ち続けたら利益は出なかった、ということになります。なので、海外の投資家だけでなく日本の投資家を含め、日本の証券市場から離れはじめています。

ちなみに以下は、東証3市場の過去5年の売買金額の推移です。金額単位は百万円。

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2007年には752兆円であったのが、ここ3年は300兆円台です。

投資家からすると、「日本の経営は株主のことを考えず経営をしている。コーポレート・ガバナンスがなっとらん!」という判断してしまっているのだと思います。

特に国内外を問わず機関投資家は、別に日本の証券市場だけを見ているのではなく、世界の証券市場を見ているので、各国の証券市場を比較検討するのは当然ですよね。

ちなみに、コーポレート・ガバナンスの格付けを行っているGMI社(Governance Metrics International)の発表によると、2010年のコーポレート・ガバナンスの世界ランクで日本は39社中36位となっています。

1位UK、2位カナダ、3位アイルランド、4位USA・・・29位韓国・・31位ロシア・・35位中国、36位日本、37位インドネシア、38位メキシコ、39位チリ。

どのような尺度で評価しているかまでは調べていませんが、かなり衝撃的な順位ですね。残念ながら世界的な評価がかなり低いのは事実のようです。

こうしたことを是正し、国内外の投資家にとって魅力ある証券市場にしよう、ということが、東証が上場会社のコーポレート・ガバナンスに力を入れようとしている理由だと思います。

具体的に東証では、以前より社外取締役の選任を広く呼びかけ、2009年にはコーポレート・ガバナンス原則を改定、また2006年よりコーポレート・ガバナンス報告書の提出を義務付け、2009年には報告書の内容をより強化してきました。また2010年には独立役員の選任を義務化させました。

これら一連の働きかけにより、東証上場企業の社外取締役の選任状況は、2006年→2010年で比較すると、東証1部39.8%→47.1%、東証2部38.9%→43.1%、東証マ55.8%→62.9%と増加基調にあります(東証 コーポレート・ガバナンス白書より)。

こうした経緯で、社外取締役を選任することは普通なこと、という風潮になってきていると思います。先日の会社法改正要綱案では、社外取締役選任の義務化は見送られましたが、社外取締役を選任しない理由を事業報告に記載する必要がある、とされました。

しかし、日本的にベストなコーポレート・ガバナンスは、これからいろいろと取り組んでいかなければなりません。形式要件を整えることと実効性は別ですからね。

では、どのように実効性を持たせてゆくか?については後日考えてゆきます。

次回は、コーポレートガバナンスと言う言葉を今一度整理します。

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