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2012-08-27

優先株式活用の意義

ベンチャーファイナンスの中で最も意味を持つのが「みなし清算条項」だと思います。投資家は投資したお金のEXITを考えて投資するわけですが、普通株式ですと上場以外のEXITで利益を出すことが難しいのです。しかし、優先株式を活用することで、経営者・投資家双方にとってハッピーなEXITが可能になる場合があります。

(事例)
例えば経営者が株式を100%保有する資本金10百万円の会社に、投資家が普通株式で100百万円投資したとします。会社の成長性を見込み、Post時価総額400百万円と評価したとすると、投資した後の株式シェアは経営者が75%、投資家が25%となります。

<株式シェア>
経営者 75%
投資家 25%

 数年を経て、一定の成長はしているものの、上場するのが難しいという時、200百万円で会社を買収したいという事業会社が現れたとします。
この時の配分ですが、普通株式であれば、経営者は200百万円の75%の150百万円を得ることができますが、投資家は25%の50百万円の回収しかできません。よって投資契約書等に基づいて投資家側がその買収案を認めない可能性があります。

<回収額>
経営者 200百万円×75%=150百万円
投資家 200百万円×25%= 50百万円 < 投資金額100百万円 → NGの可能性

 しかし投資家が、みなし清算条項・参加型の優先株式を保有している場合、買収金額の分配は、投資家がまず100百万円を受取り、経営者が残りの100百万円の75%の75百万円を受け取り、投資家は25%の25百万円(合計125百万円)をさらに受け取ることになります。これにより、経営者も投資家も金銭的利益を享受するEXITになります。

<回収額>
経営者 (200百万円-100百万円)×75%=75百万円 > 設立出資金額10百万円
投資家 100百万円+100百万円×25%=125百万円 > 投資金額100百万円
 
 会社の成長は経営者の経営努力が最も大きな原動力だと思いますが、投資家の投資資金があったから成長が可能になったとも言えると思います。このように考えると、活用の仕方によっては、優先株式はフェアであるとも言えます。
もし、投資家が125百万円の回収を普通株式で実現しようとすると、投資当初に62.5%の株式シェアを保有する必要があります。しかしこれでは、投資家から投資を受け入れた時点から資本政策が破綻してしまう可能性が高いのです。

優先株式の意義は、株価は会社の将来性を見込んだ価格にする一方で、M&Aでの売却時には経営者と投資家でフェアな配分を目指していることです。

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