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2015-07-12

高層ビルには強力な土台が必要


tree_woods_00001これは、スターバックス物語(日経BP社)の第10章の題名です。

この章の中では、成長を加速させるために出店と人材採用を先行させ、赤字資金を資金調達でまかなったことが記載されています。
世界に通用する会社をつくるならば、投資が必要なこと、先行する赤字に懐疑的な株主と向き合わなければならないこと、資金調達が容易でなかったことが読み取れます。

ここで考えさせられるのは、土台とは何かです。

土台の柱が人材であることは、疑いの余地はないと思います。

良い人材の採用。人材採用が極めて重要であることも言うまでもないと思います。

しかし、採用より、採用した人材の能力を発揮させているかどうか、がそれ以上に重要だな、と思うことがよくあります。 せっかく採用した有能な人材もモチベーションが低くなってしまうと、ただの人になってしまいますからね。

入社した後にモチベーションが上がる理由はいくつもあります。
・顧客から感謝される。
・会社から頼りにされている。
・役に立っている実感、それを評価されている実感。
・やりたい仕事ができている。
・世の中から評価されている会社で働いている感がある。

誰でも承認欲求がありますから、他者からのフィードバックがモチベーションを上げることは間違いないと思います。フィードバックはコミュニケーション。やはり対話は重要なんだな、と思います。

その上で、さらに理想的な人材がいます。
それは、

「この会社の目的を達成したい。」
「会社の成長を実現したい。」

という気持ちの強い人たちです。

こういう気持ちを強く持っている人材が多い会社は、本当の差別化要因を手に入れたようなものだと思います。

しかし、これを本心から思わせるのはなかなか難しいです。多くの人たちは、自分がやりたいことができる場所として会社を選んでいるので、「会社の目的や成長は経営者の仕事」と思うのが普通。そして、自分の役割を果たすのに必死で、会社を俯瞰的に考える余裕がない、ということもあります。

こちらから「持て」と言っても持つようなものではありません。

では、*イソップ寓話のレンガ職人の話のように、「大聖堂をつくっている」と言う人材をどのようにしたら持てるのか?

これは、採用時ではなく、入社後にどのように人材と接してゆくか、にかかっていると思います。

*レンガ職人3人に何をしているかと質問したところ、
1人目「レンガを積んでいる。キツい仕事でついていない。」
2人目「大きな壁をつくっている。これで生活ができる。ありがたい。」
3人目「大聖堂をつくっている。多くの人たちの祝福のために」

人間は、理解すると80%の力を出し、共感すると90%、感動すると100%、使命だと思うと120%の力を出す、ということを聞いたことがあります。

事業は、経営者の考え方や思想で、意味が違ってきます。
何のためにこの事業をやっているのか?

これを研ぎ澄ますことが、高層ビルの本当の「土台」のような気がします。特段、「動機付け」といったイベントを行う必要はないと思います。日頃のコミュニケーション、業務での実績を通じ、これを自然と体感してゆくことで、このような人材が増えてゆくのかもしれません。

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