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2015-05-20

起業家の株式シェアとモチベーション

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株式シェアにまつわる起業家のモチベーションは、あまり理解されていないと思います。

例えば、大きな設備投資や、莫大な研究開発が必要である事業のため、ため多大な資金を必要とする場合とか、思わしくない状況を打開するための増資であれば、起業家のシェアが低くなっても仕方ありません。

しかし、「さあ、これから」、という時に行う増資で、起業家の株式シェアがいたずらに下がることは、後々、起業家のモチベーションを下げてしまったり、起業家の意思で経営できなくなり、中途半端な経営になってしまうことがあります。

出資する側は、なるべく安く株式を取得したい、という論理は理解できます。会社組織で出資する場合は、社内の機関決定を行う会議の場で出る「株価が高いんじゃないの?」という指摘をかわすために株価を1円でも下げようとすることもわかります。

でも、起業家のシェアが大きく下がること自体が、実は、今後の企業成長の大きなリスクになることを本質的に理解している人は、それほど多くないと思います。

だから株価の引き下げて増資を行うと、企業成長が実現しないリスクが高くなると思います。実はアベコベなのです。

このことは、私自身、投資会社にいた時にはあまり気が付きませんでした。会社を辞め、独立して、いろいろな起業家と親しく一緒に仕事をさせて頂いて、この考えを強くしました。

話は変わりますが、「赤字のベンチャー企業には、優先株式でも2ケタ億円の時価総額はつけない」、という人がいました。この話を聞いて、私はその人が気の毒になりました。

時価総額は会社ごと、ケースバイケースで考えるべきで、このような基準は、自らの想像力と思考回路を止める行為だと思います。恐らく、ビッグチャンスを逃すことになるでしょう。

いずれの場合も、単に株価を下げればいいということではなく、逆に、起業家のやる気をより向上させ、会社の将来の時価総額をいかに上げるか、ということに腐心した方がいいと思うのであります。

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