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2015-04-21

ベンチャー企業の時価総額はどのようにして決まるのだろう?

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会社は今、どれくらいの価値があるのだろう?

未上場会社の場合、「自社の企業価値はいくらか?」と尋ねられても、答えるのは難しいと思います。
たとえば、今日この時点の価値と、将来性を加味した価値では、全く価値は変わってきますからね。

これを測る1つの方法が時価総額ですが、時価総額とは何なのか、どうやって計算するのでしょうか?


上場会社の株価

上場会社は、株価が毎日明らかになっています。上場株式の株価は、多数の投資家の「売りたい値段」と「買いたい値段」の需給が折り合う価格です。

その株価に、会社が発行している全ての株式数を掛けた金額を、時価総額と言っています。 つまり、

時価総額=株価×発行済株式数 。

会社を100%買収しようとした時には、買収にかかるお金は時価総額が1つの目安になります(もっとも、株主がその株価で株式を売るかどうかは自由ですので、時価総額で買収できるかどうかは別です。)。


未上場会社の株価

未上場のベンチャー企業の時価総額も、同じ計算式です。

ただし、未上場会社の場合は、株式が証券市場で売買されているわけではないので、相場というものがないですよね。

では、どうやって決めるのでしょうか?

未上場のベンチャー企業の場合、「会社の株価はいくらです。」と算定するのは極めて難しいと思います。なぜなら、会社の未来はあまりに不確定であり、現状も資産が乏しいです。

未上場企業の株価算定方法は複数あります。でも、計算方法が複数あることは、答えが複数になるということで、1つの価格には落とし込めないということの裏返しです。

そこで、ベンチャーファイナンスにおいては、会社と株式を取得する人との「話し合い」、または、「交渉」で合意した金額を「株価」と考えます。

決め方は例えば、

①上場した時にどれくらいの時価総額になりそうか、を計算する。
②上場時の想定時価総額から遡って現在価値を見積もる。
③でも、見積もりに対して、会社の現状や実績などを加味して「これくらいの時価総額」と決める。

結局は「話し合い」によって決まっているのが実情です。

 

①上場した時にどれくらいの時価総額になりそうか、を計算する。

上場時の見込み業績から導き出す時価総額計算方法は、

時価総額=上場申請期の当期純利益の計画値 × PER◯倍
=上場申請期の経常利益の計画値 × 60% × PER◯倍

60%とは、法人税や住民税がざっくり経常利益の40%くらいなので、経常利益に60%をかけることで税引き後の当期純利益の概算値を算出します。

PERは日本語で株価収益率といいます。が、はっきり言ってわからないですね。

これは、会社の価値を、「当期の利益の◯年分」と見積もるやり方です。◯年分というのをPER◯倍と言っています。
PER20倍というのは、当期純利益の20年分の価値、ということになります。

利益の伸びに勢いのある会社のPERは高くなり、そうでない会社は低くなります。利益が横ばいの会社はPERが10〜15倍です。

例えば、トヨタは立派な会社で、利益もたくさん出していますが、業績が安定している分、利益が倍々に伸びる状況ではないと思いますので、PERは10倍〜15倍程度です。

一方、新興の上場企業で利益が倍々に伸びている会社は、PER30倍、60倍、・・・となります。

 

②上場時の時価総額から遡って現在価値を逆算する。

そして、上場した時の時価総額から遡って、今なら「まあ、これくらい」といった感じで素案が決まります。

だったら、上場時の業績を多く見積もって、上場時の時価総額を高くすればいいじゃん、と思うのですが、相手がプロの投資家だと、独自に数字計画を手直ししますし、たくさんの会社の事例に毎日接していますから、会社の計画をそのまま受け入れてはくれないことが多いです。

③見積もりに対して、会社の現状や実績などを加味して「これくらいの時価総額」と決める。

投資家によって、高いとか、丁度いいとか、意見は異なります。いろいろな投資家と話しながら、寄り合う金額を模索してゆきます。 また、優先株式ですと、投資側のリスクを軽減できますでの、普通の株式より株価を高めに設定できる、など、様々な出資条件も株価に影響してきます。

ただ、私は、このような見積金額を参考にしつつ、別の要素を考えて会社の主張を組み立てています。 ちょっと長くなったので、また次回に記載します。

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