資本政策とは何だ?
資本政策とは何だ?
このような疑問を持って当然だと思います。
資本政策には、わかりにくい言葉がたくさん出てきます。ダイリューション、DCF、プレマネー、バリエーション、ドラッグアロング・・・。英語が多いし、毎日使わないのですぐ忘れてしまいます。
資本政策とは一言で言うと
「増資による資金調達と株主構成の戦略」
だと思います。
なぜ戦略なのか?
将来、いつくらいに、どれくらいの資金調達が必要となりそうか?
資本政策は事業計画(経営戦略)とリンクさせて、資金調達のタイミングを考えます。
一方、株主構成は戦国時代の血縁関係とちょっと似ています。資本関係を結ぶということは、親戚になること、とも言えます。
株主は会社の所有者です。会社の状況をディスクローズしますし、重要なことは株主総会で決めます。
だから「どんな株主構成が望ましいのか?」を考えることが必要になります。
言い換えると、
どういう人や企業から資金調達するか?
どのような株主にどれくらいの株式シェアを持ってもらうか?
のシミュレーションです。
(株式シェアについては、前回をご参考ください。)
ホームページなどで、主要株主が記載されていることがあります。有力な企業がズラッと並んでいる会社もあります。
もちろん、見栄えのいい株主構成が、ベンチャー成長の絶対条件ということではありません。
プロダクトが顧客から支持されることの方が大事。
また、資金調達しなくてよければ、それに越したことはありません。
小さな資本金で上場する会社がありますが、これは燃費が非常にいいということです。
ただ多くの場合、資金調達できればスピーディーに事業展開することが可能になりますから、資金調達したいベンチャー企業は多いと思います。であれば、株主構成を戦略的に考えたいところです。
誰が何%持つかによって、会社の印象が変わります。
株主というのは事業を進める上で強力な武器になることがあります。 VCさんが株主にいれば、成長性がある、という証拠になって人材採用がやりやすくなる、とか、有力な事業会社が出資していれば、信用・信頼がものすごく上がったりします。
有力な会社が株主になり、プレスリリースすると、これまで事業提携したくとも接触が難しかった企業が、わざわざ門を叩きにきてくれることすらあります。
このように、株主構成というのは事業を加速する上で協力な武器になるのですが、その一方で、起業家の株式シェアが何%になるか、をよく考えなければなりません。起業家のシェアによって、経営の自由度や意思決定のスピードが変わってきます。これは、上場後の経営の安定度にもかかわってきます。
次回はその辺りに触れたいと思います。
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