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2015-03-31

資本政策の前提。株式シェアの話

river_00005中学校のクラス内で、文化祭で何をやるかを決めるとします。劇とマジックショーの2つの案があってどちらにするか?

これを決めるのに、どのような方法でやるでしょうか?

普通は投票だと思います。
つまり多数決できめるやり方がシンプルで公平。


株式会社の原則も多数決

同じように株式会社も多数決の論理で成り立っています。
株主にとって重要なことは、株主総会で多数決で決めましょう、ということです。

しかし1人1票ではなく、持っている株式数分の票を持っていることになります。ですから、あまり株式数を持っていない社長が、株主総会で「この議案は通すべきだ!」と強く主張しても、多数決で支持が得られなければ否決されるということになります。

ちなみに、取締役会の議案も多数決で決議されます。例えば、取締役の中から代表取締役を選出する場合も、取締役の多数決で決まります。


可決のための賛成数は?

株主総会で決める事項は法律や定款で決まっていて、決議に必要な賛成票数は事項ごとに異なっています。

以下は、未上場のベンチャー企業でよく出てくる重要な議案と決議に必要な賛成数です。

細かいことは法律の専門家に委ねますが、おおよそ、以下を知っておけばいいと思います。

67%以上の賛成が必要な主な議案(特別決議といいます。)

・定款の変更

・事業の譲渡

・会社の合併

・第三者割当増資やストックオプションの発行

51%以上の賛成が必要な主な議案(普通決議といいます。)
・取締役・監査役の選任・解任
・計算書類(決算書)の承認

(正確には67%は2/3以上、51%は1/2超です。)

定款の変更、事業の譲渡というのは、会社の根幹に関することです。また、合併や第三者割当増資は、既存の株主の持株比率が減ることになるので、特別に重要な事項です。2/3以上の賛成が必要ということで、これを「特別決議」といいます。

ここで、「第三者割当」増資と言う言葉が出てきました。この「第三者」という言葉がちょっと誤解を産みます。

例えば、株主がA, B, C・・・と10人いて、今回、Aのみが新たに増資を引き受けることになりましたと。

この場合も第三者割当増資になります。

「はー?Aは第三者じゃないですよ。」

もっともなご意見です。

全株主に株式シェアに応じて増資を行う増資を「株主割当増資」と言いますが、株主割当増資以外の、特定の誰かに向けて増資を行う場合は、仮にそれが一部の既存株主であっても、全て、「第三者」割当増資、と言っています。

企業買収される場合の方法はいくつかあります。

・買収者が、既存の株主から株式を買取る。
・事業を譲渡する。
・合併する
・買収者に対して、新たに株式を発行する。

「会社が買収される」と言う場合、いつも株主総会の決議が必要のように感じますが、買収者が株主から株式を買い取る形の買収は、株主総会の決議は必要ありません。この場合は、個々の株主が、買収する側に株式を売却するのかしないのかを決めることですので、株主総会の多数決で決めることではありませんね。

事業譲渡や合併の場合、または、買収側に対して株式を発行する場合は、上の「67%の賛成」ところに記載した通り、株主総会で決議することになります。


プロキシーファイト(議決権の争奪戦)

昔、経営陣の株式シェアが少なく、たくさんの株主が少しずつ株式を持っている会社がありました。

ある時、株主の1人から、「今の経営陣には任せておけないから、自分が社長になって、役員も刷新したい。」、「ついては、次回の株主総会でそれを提案するので、こちら側に賛成してほしい」と株主に話をして周りました。

現経営陣はその動きを知って、「そのようなことはない。このままの経営体制を継続するべきだ。」ということを株主に説明に周りました。

いわゆるプロキシーファイト、賛成票を集めるための戦いです。

役員の選任と解任の話ですので、51%以上の賛成票を勝ち取る戦いになります。

このようなドロドロしたことは、株式シェアが分散している会社では起こりえることです。 最近、大塚家具でも似たようなことがありましたね。

ちなみに、34%という数字も重要です。
これは、67%の特別決議の議案を否決できる株式シェアということです。

資本政策では、これらの67%、51%、34%を軸にして考えてゆきます。 資本政策については次回考えてみたいと思います。

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