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2015-03-24

資金調達成功の原理は何だろう?

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ベンチャー企業の資金調達の専門的実務知識は、磯崎哲也さんの「起業のエクイティ・ファイナンス」に詳しく書いてあります。初めて資金調達に臨む起業家も、専門家にとっても本当に役に立ちます!

起業のファイナンス
起業のエクイティ・ファイナンス

今日は増資の専門知識ではなく、資金調達はどうしたら成立するのか?その原理について考えてみます。

世の中にはベンチャー企業への投資を専門にした投資家=ベンチャーキャピタルがありますが、ベンチャーキャピタルからの資金調達を想定してみます。


資金調達とは所有権の販売活動

増資とは「会社の所有権を販売して現金を得ること」とも言えます。

株式とは、ざっくり言うと会社の所有権を顕すものです。
よって、会社の株式を発行して、それを販売してお金を頂く。
つまり資金調達とは会社所有権の販売活動とも言えます。

販売活動ですが、こちらから「ぜひ買ってください」と営業するより、できれば相手から「ぜひ売ってください」と言われたいですね。おいしいラーメン屋のように、店前に列ができるのが理想ですw。

さて、上場会社であれば、会社の価値は株価でわかりますが、まだスタートして間もないベンチャー企業となれば、価値あるのかないのか、謎です。

でも、もし、その会社にものすごく将来性があって、「これはすごいことになるかも!」となれば、将来性を見込んで出資したい、と思う人がいてもおかしくありません。

この「出資したい!」と思ってもらえれば、「売り込み」が「行列」に変わるかもしれません。


相手の心を動かすもの

資金調達がうまくいくかどうかは、「相手の心を大きく動かすこと」ができるかどうか、と思います。会社のことを理解してもらうだけでなく、心を動かすことができるかどうか?

心を動かし、行動させるのは「感動」であったり、「なるほど!」という深い納得感であったりします。 私も過去、起業家の話を聞き始めて3分で、脳天から感電したように心を奪われ、話の虜になった経験があります。

もう少し具体的に見てみましょう。投資家さんはどのような気持ちになったら出資したいと思うのでしょうか?

普通は、「この投資はリターンがすごく大きそうだ」と思ったら出資する、と考えます。

しかし、意外とこの気持ちは投資家の中では芽生えません。これからどうなるか本当にわかりませんし、うまくいかないと投資金額を全額失う事になります。なので、経済的な皮算用はするものの、「儲け話」という捉え方はしませんし、そういう気持ちになりません。

それよりも、「この企業の成長を実現させたい!」と心底思ってもらうことが最も大きいと思います。

「このビジネスはもしかしたらすごいことになるかも!」
「歴史を変革するかもしれないぞ。ぜひ関与したい!」
「この起業家と一緒に仕事がしてみたい!」

という“ワクワク”した気持ちになってくれるかどうか、だと思います。

投資家は経済合理性の塊のような存在と思われていますが、実は非常に人間的です。ロマンチストの内面を持っている人もいます。偉大な企業の草創期を支えた、ということにやりがいを持っている人もいます。そして起業家に優しい人が多いと思います。

相手の心を動かす第一歩は、起業家自身が自分の事業の本質を考え抜き、事業に対する持論を持つことだと思います。

これは、

「なぜこの事業をやるのですか?」

という質問の回答に集約されると思います。

なぜやるのかを説明する時には、世の中で満たされていないこと、顧客の潜在的な不満や欲求など、世の中の動きと顧客の洞察が必要。これを経験で語れると説得力があります。

顧客の解決したい悩みが深ければ深いほど、得られるであろう喜びが大きければ大きいほど、事業としての成功確率は高くなります。

そして、世の中に対して何か役立とうとする志。

誠実な話しぶり。

洞察は「なるほど!」、志は「感動」、誠実さは「信頼」につながります。

本質をつかむと、自信が出てきます。この自信が非常に重要。絶対にうまくいく。根拠に乏しい自信でもいいと思います。

1点、事業構想の裾野に広がりがないと厳しいです。
こじんまりした事業ではなく、構想の大きな事業が嗜好されます。

まとめますと、

起業家側は、洞察、志、誠実。

投資家側からすると、納得、感動、信頼、になりますね。

彼を知り、己を知れば、百戦して危うからず、といいます。
資金調達が成功するための原理を理解することが、資金調達実現の第一歩と思います!

 

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