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2015-01-27

お金をかけないブランド創造。企業文化をブランドにした会社。

tree_woods_00007ブランドといえば、ベンツやP&Gなど、大きな広告費をかけたブランドを連想します。

しかし、ブランド創造にお金がかかっていない会社も実はあります。

スターバックスのブランド創造は社員教育
スターバックスはスタートから5年で既にブランドができていました。ただ、ハワード・シュルツ自身は、ブランドを創ろう、という意識はなかったようです。

「初期の段階ではコーヒーを一杯ずつ売るのに忙しく、また店舗のオープンやコーヒーに関する社員教育に時間をとられ、『ブランド戦略』について考える余裕がなかった。」

「広告を信用していなかったからではなく、そちらにまわす資金がなかった。」

その一方で、力を入れたことは、

「コーヒーの味と品質にこだわり。」

「顧客の期待に応え、喜んでもらうために、優秀な社員を採用し、教育することが一番であると信じる。」 

「快適で入りやすく、しかも上品で優雅なスターバックスでしか味わえない、魅力あふれる豊かな雰囲気をつくる。」

プロダクト、人間、価値を大切に考え、コーヒー、社員の対応、店での体験、を徹底的に追求したことがブランドにつながったということです。

そして顧客からみて、「職場でも家庭でもない、第三の場所」を実現しました。
企業文化が結果的にブランドになったと言えます。

「ブランドで成功するには、生き生きと力強く振る舞える分野で、独創的でしかもわかりやすいビジョンを掲げなければならない。」

わかりやすいビジョンと社員の教育で顧客のリピートを産み、一人あたり月18回平均の利用を実現したそうです。

(スターバックス成功物語/日経BP社)

顧客の心に刻みこまれる、ザッポスのサービス思想
 ザッポスもブランド構築にお金をかけていません。 ザッポスは、配送料も無料、配送スピードも速く、365日間返品可能で返品配送料も無料です。これらは顧客の印象に深く残ります。

また、一般のECサイトと異なり、問い合わせの電話番号がわかりやすく表示されています。

コールセンターを事業の中心に置き、コールセンターにマニュアルがなく、顧客との対話に制限時間を設けていない、といいます。これは、顧客と電話で話をすることで、5分なり10分なりを顧客がザッポスに意識を向けることはメリットである、という考えによるものです。

電話での対応のよさが顧客の心に深く残り、それが口コミが広がる。

ザッポスは広告宣伝費を使わない代わりに、配送料やコールセンターの費用負担を、マーケティング費用と考えています。

これらを通し、「靴をネットで販売する」という特に目新しくないビジネスを、素晴らしく魅力的で、容易に真似できないビジネスに創り上げたと言えます。

「私たちは、顧客の生涯価値を流動的なものと見なしており、あらゆるやり取りを通して顧客の心の中に、私たちのブランドとのよりポジティブな絆を作り出せれば、顧客の生涯価値は向上できると考えています。」

(ザッポス伝説/ダイヤモンド社)

こちらもスターバックス同様、企業文化とブランドを一体化させている例と思います。

 

ブランド論の第一人者であるデービッド・エイカーは、ブランド構築には、まずブランドビジョンが必要であると説きます。ブランドビジョンとは、顧客や関係者がそのブランドを見た時に、どのように思って欲しいか、というビジョンです。

スターバックスもザッポスも、顧客にどのように思われたいかが明確でした。

顧客に訴求するものを絞り、会社のエネルギーを集中させた結果、顧客の口コミによってブランドが出来上がったと言えます。 ブランドとは、企業文化によって自然に創造されるのが最も望ましいのかもしれません。

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