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2015-01-20

シンプルにすることは、山をも動かすこと ー スティーブ・ジョブズ

japanese-style_00004「なんでもできるということは、結局、なんにもできないこと」とよく言われます。様々な人を対象にする、様々な機能を提供する、様々な人の要望を受け入れる。これを目指してしまうと、結局、誰も使わないものになってしまいます。


世界的工業デザイナー奥山清行氏のシンプル哲学

フェラーリ、マセラッティ、ポルシェなど、車のデザインを手がけてきた世界的工業デザイナーの奥山清行氏は、デザインの「シンプルさ」を強調しています。

「『もう何も残らない』というギリギリのところまで贅肉をそぎ落とした時、残った要素が強ければ強いほど素晴らしいデザインになる、というのがピニンファリーナ創業者の主張だった。」(100年の価値をデザインする/PHPビジネス新書)

「あっさりして見えるものがあっさり作られたかというと大間違いなんです。デザインした人の執念が実を結んでいるから、あっさり見えるんです。」(フェラーリと鉄瓶/PHP文庫)

デザインという仕事は、プロダクト全体を俯瞰し、プロダクトを構成する様々な要素の中から、その本質的部分を見極める仕事なのかもしれません。

アインシュタインは、特殊相対性理論の帰結として、E=mc²という式を導き出しました。複雑難解な論理も、突き詰めるとこのようなシンプルな結果に行きつく例ではないでしょうか。

複雑になっている企業の現場
今日、企業の経営環境、戦略、組織を考えると、複雑な事情がからみあって、どっちつかずの総花的な戦略、責任が不明確な組織、意識を失いそうになるほどの決裁手順、など、本質的な目的を見失っていることがあります。

プロダクトの企画開発の場面では、幅広い顧客層を取り込もうとしてしまい、その結果、焦点がぼけ、機能が増え、結果的には誰にも刺さらないプロダクトになってしまうことがあります。

さらに、プロダクトラインが非常に多岐に渡っていたり、様々な機能があったりすると、結果的に敬遠されることが多いと思います。WindowsのノートPCメーカーは、多数の機種を用意していますが、MACのノートPCは2種類のみです。シンプルな選択肢というのも選ばれる条件の1つなのかもしれません。

シンプルな考え、シンプルな戦略がベストとなる。
ビジョナリー・カンパニー2(日経BP社)でジム・コリンズ氏は、

「偉大になった企業の戦略は、

1)世界一になれる事業が何かを理解し、
2)情熱を注ぎ込め、
3)わかりやすい財務指標を設定する、

の3つのみである」

と言っています。

これらの方針を無視して事業を成長させようとしたり、M&Aを行ったりした同業他社は、鳴かず飛ばずの企業にしかなっていないことを、実例を示しながら説明しています。

偉大な会社の経営戦略は、実にシンプルな考えに基づいています。

スティーブ・ジョブズは、以下の言葉を残しています。

「シンプルであることは、複雑であることよりもむずかしいときがある。物事をシンプルにするためには、懸命に努力して思考を明瞭にしなければならないからだ。だが、それだけの価値はある。なぜなら、ひとたびそこに到達できれば、山をも動かせるからだ。」

Simple can be harder than complex. You have to work hard to get your thinking clean to make it simple. But it’s worth it in the end because once you get there, you can move mountains.

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