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2015-01-13

クリエイティブが活かされる組織づくり。経営管理にイノベーションをもたらしたい。

消費者に主権が移り、顧客に魅力あるプロダクトをクリエイトしなければいけない時代。この時代に、これまでの組織形態は最適と言えるでしょうか?

経営管理のイノベーションが究極の優位性
ゲイリー・ハメルは「経営の未来(日本経済新聞社)」で、経営管理のイノベーションが、最も真似しにくい優位性だと言っています。

真似されにくい順は、経営管理のイノベーション → 戦略のイノベーション → 製品のイノベーション → 業務のイノベーション。

ここで言う経営管理とは、主に組織づくりのことを指しています。

これまでの階層的組織はイノベーションを生みにくい
これまでほとんどの企業では、疑うことなく階層的な組織をつくってきました。官僚制組織とほぼ同義語でしょう。これは、ものをつくれば容易に売れる時代では機能してきました。

日本は高度成長期からバブル期まで、この官僚制組織でもやってこれました。管理者が部下を管理しやすく、上意下達により組織を動かしてゆく。官僚制組織とは、人間を機械化することを目的としていますから、考える頭脳より手数が勝負の時代には適切な組織形態であると言えます。

しかし顧客に主権が移った現在において、これまでの組織形態は多数の弊害を生んでいます。

現場のことをわからない人が会社の方針をつくったり、規律のために規則が増える。セクショナリズムが多くなり、秘密主義がはびこる。出世を強く望む一部の人が、理不尽なことを多数の部下に押し付ける。

現代において、イノベーションを声高に叫ぶ企業が多いですが、階層的組織はクリエイティブな活動が最も起こりにくい組織であると言えます。

なぜなら、イノベーションは顧客と接する現場が起こしやすいものであるのに対し、官僚制組織は、顧客から最も遠い階層の人たちが物事を決める組織だからです。イノベーションを起こすには、現場の社員のクリエイティブな意思が反映されなければなりません。

イノベーションは自然発生的に生まれるものだと思います。顧客と接する中で潜在的ニーズやウォンツを感じ取り、それを廊下で同僚と立ち話をして、「それならこのテクノロジーで実現できるかも」と話が発展する、といったことです。

そのためには、顧客と接する人たち、テクノロジーをわかっている人たち、デザインに優れた人たち、マーケティングに優れている人たちなどが一体となって、試行錯誤しながら取り組む必要があります。イノベーション部長など置いてノルマを果しても何の成果も得られません。

事業部制など、自分の所属する部署の成績を優先する組織は、最適ではない場合があるかもしれません。セクショナリズムを働かせず、能力のある人同士が自由に集まれる環境でないと話は進みません。

上位階層は現場の邪魔をしないこと、失敗をマイナス評価しないこと、長期間の継続を許容すること、も必要だと思います。

また、プロジェクトを開始する前に、稟議だ決裁だとやってしまうと、結局何も生まれません。稟議で必要となる論理的説明などつかないことが多いからです。

ただし、大きな組織からは、「そう言っても・・・」という心の声が聞こえてきます。残念ながら現代の多くの大企業では、イノベーションが生まれる組織に変換できる企業は僅かかもしれません。

そうであれば、イノベーションを起こせる人に、組織を飛び出して起業の道筋をつけることの方が現実的ですし、世の中のためであると思います。

 

スタートアップを凡庸な企業にしたくない
これから成長を遂げようとしているベンチャー企業では、人員が増えても、階層的組織、官僚制組織は前提とせず、最もクリエイティブが発揮される組織とは何かを考えた方がいいと思います。その時、肩書など排除してもいいですし、各自で勝手に決めるのもいいかもしれません。業務やプロジェクトごとにマネジャー役やリーダー役が変わることもあると思います。

ピクサーでは役職に関係なく発言できる文化が重要だと言います。かつて、会議テーブルの席順が役職や上下関係に従っていて、中央付近の人たちは発言しやすく、端の人たちが発言しにくい状況だったのを、座席札をなくし、テーブルの形を変えることから始めたとこことです。(参考:「ピクサー流 創造する力/ダイヤモンド社」)

グーグルでは、フラットな組織を目指し、マネジャー職の人を最小限にして、皆が意思決定者に近い。有能な人たちがフラットな組織を望むのは、トップの近くにいたいためではなく、仕事をやり遂げたいからであり、そのためには意思決定者と直接折衝する必要があるため、といいます。

そして、事業部制、独立採算制を廃しています。 経営会議では、プロダクト担当が財務、セールス、法務などより大きな影響力を持つようにして、常にユーザーフォーカスの会議にしているとのことです。 (参考:「How Google Works/日本経済新聞社」)

また、ザッポスは全ての役職を廃止したことで話題になりました。

会社ごとに状況が異なるため、汎用的に最適な組織を定義することは難しいと思います。ただ、共通して言えることは、まず、会社の目的と事業構想を再確認した上で、1)階層をなくし、意思決定者と現場を近づけること、2)重要なことも少人数で意思決定すること、3)最初にリスクやネガティブに焦点を当てずに機会とポジティブに基準を置くこと、といったことがは必要だと思います。

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