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2015-01-06

成功報酬制度は生産性を下げる?!人間のモチベーションの不思議。

メンバーのモチベーションを高く維持したい!というのはあらゆる組織のテーマだと思います。では、モチベーションを高く保つにはどのようにしたらよいのでしょうか?

フレデリック・テイラーの科学的管理法
フレデリックテイラーは1900年初頭、科学的管理法を開発しました。

どんぶり勘定を排し、生産工程プロセスごとに時間や歩留まり率を測ったりして、生産効率の向上と組織的怠業をなくそうとしました。

科学的管理法は、ノルマ、マニュアル化、成功報酬、ノルマ未達の減俸、を取り入れたもので、これは、当時としては大きな進歩だったと言えます。

現在でも、多くの企業、特に大きな組織においては、この延長で社員を管理・評価していると思います。

成功報酬の罠
一方、こうした管理・評価方法は、やる気のある人材を基準に考えるのではなく、怠けやすい人やデキない人に焦点を当て、リスクを減らすことに照準を合わせます。そこで、やる気のある人には、成功報酬の形でモチベーションを上げてもらおう、というのが普通のやり方です。

ところが、成功報酬というのが実は効き目がないことが、数々の研究でわかっているそうです。これは行動科学でも同じような結果が出ています。

ダニエル・ピンク氏は、自著の「モチベーション3.0/講談社」で成果報酬が効き目のない事例を示しています。また、TEDのスピーチで次のように言っています。

「成功報酬が効果があるのは、単純なルールと明確な答えがある場合です。報酬というのは視野を狭め、心を集中させるものです。だから狭い視野で目の前にあるゴールをまっすぐ見ていればよい場合には、うまく機能するのです。しかしクリエイティブを必要とする場合は、そのような見方をしているわけにはいきません。答えが目の前に転がってはいないからです。周りを見回す必要があります。報酬は視野を狭め、私たちの可能性を限定してしまうのです。」
(引用:U-NOTE「「インセンティブ制度は生産性を下げる」- ダニエル・ピンク:やる気に関する驚きの科学」)

エリック・シュミットはGoogleの社員を「スマートクリエイティブ」と表現します。

「ビジネスセンス、専門知識、エネルギー、業務遂行姿勢、が整っている優秀な人材。これらの人たちは、従来型のリスクを抑え、失敗を避けることに重きを置くプロセスや経営手法では息が詰まってしまう。つまり従来型の管理手法はスマートクリエイティブにとって手足を縛るものである」と。

Googleは初期段階から従来の科学的管理法を排して、独自の方法をとっていることで有名です。

これからの経営管理のテーマ
ドラッカーは、

「知識労働者の動機付けは、ボランティアの動機付けと同じである。ボランティアは、まさに報酬を手にしないがゆえに、仕事から満足を得る」と言っています。
(引用:「明日を支配するもの」/ダイヤモンド社)

確かに、オープンソースやwikipediaを見ればうなずけます。

株式会社は、NPOのマネジメントを参考にするべきなのかもしれません。

作業的な業務はどんどん海外に移りつつある現在、日本はクリエイティビティで勝負しなければなりません。このような時代には、従来の科学的管理法を捨て、新しい経営管理に挑まなければならないのかもしれません。

ベンチャー企業は成長すると社員も多くなってきますし、大手企業の要職クラスの人たちも転職してきます。しかし、全員がモチベーションの塊だったスタートアップが、会社の成長とともに凡庸な組織になってしまうことはよくあります。組織が大きくなっても、官僚型組織ではなくクリエイティビティを醸成するモチベーションの高い企業文化はどうやってつくったらいいのか?

次回は、このテーマをもう少し見てゆきたいと思います。

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