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2014-12-23

コアプロダクトとそれを支えるサービスが一体となって、顧客体験につながっている。

コーヒーショップの価値は、コーヒーの味だけでなく、レジ待ち時間の短さ、店員さんの応対ぶり、お店の雰囲気、wifiの有無など、サービス面が非常に大きなウェイトを占めています。

この例の通り、現代のビジネスにおいては、コアとなるプロダクト以外のサービス面が非常に重視されていると思います。これはインターネットサービスにおいても例外ではないでしょう。

ザ・ペニンシュラ東京総支配人のマルコム・トンプソン氏によると、日本人は、装飾などのハード面より、サービスというソフト面を重視するそうです。「顧客として大切に遇されること」、「あなたを大切にもてなす準備ができているというホテル側の気持ち」、つまり「サービス側の行動の裏側にある思考プロセス」に着目するといいます。
(「日本が教えてくれるホスピタリティの真髄」/祥伝社)

例えば、一度行ったお店の系列店に行った時に、そのお店が自分の好みを知っていることがあります。「自分のことを知っていてくれるのか!」という、「自分のため」に思っても見なかったサービスに接すると、非常に感動を覚えます。

これらは、「宿泊」というコアサービスだけでなく、コアサービスを包む、ホテルの予約時からホテルを去るまでの一連のサービスが重要であることを教えてくれます。

一方で、高級ホテルやレクサスのような高級車を販売する場所においては、職人芸的なおもてなしは大きな価値ですが、日用品を販売するお店や、早い・うまい・安いを期待されるお店では、世界一のおもてなしは重視されません。

サービスを均一化しようと接客マニュアルをつくって徹底するお店もあります。ただ、酒席で会話が弾んでいるところに、店員さんが食事の説明を始めたり、コンビニエンスストアーで、アイスクリームとおでんを「一緒の袋にしてよろしいですか?」と言ったりするのは、マニュアル化の大きな弊害でしょう。実際にお客さんと接する店員さんに、その場の空気を読んだ行動をするよう裁量を与えないと、返って評判を落とします。

スターバックスのハワード・シュルツ氏は、スターバックスの成功の理由をインタビューの中で次のように答えています。

「何より“自分の場だ”と顧客が感じられること。次に、クオリティの高いコーヒー。それを接客態度やインテリアなど、あらゆる面で演出し、顧客の期待を超えたからだと考えています」

スターバックスのお店のコンセプトは、単なるコーヒーショップでなく、「家庭、職場・学校に次ぐ“第三の場所”」と定義しています。この定義に基づいて全てが演出されているのでしょう。

おもてなしのお手本とされる由布院の亀の井別荘の主の中谷氏は、この旅館を「命を養う場所」「生きていてよかったと思って頂く場所」と定義していて(引用:「おもてなしの源流」/英治出版)、それに基いて施設、サービスが考えられています。

提供するプロダクトやサービスのコンセプトを明確にしていると、それを支えるサービス造りも筋が通り、顧客の支持が増えるのでしょう。これらを通した顧客の体験によって、ブランドというものが浸透してゆくのかもしれません。

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