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2014-12-09

壮大な顧客志向 アマゾン「競合を見るな。顧客を見ろ」とソフトバンク「巨大企業を本気で戦わざるをえなくする」

japanese-style_00003ジェフ・ベゾスの顧客中心主義とは
ジェフ・ベゾス氏は自社を「地上で最も顧客中心の会社」と言い切ります。

氏の事業方針は、「品揃え」、「利便性」、「低価格」で、「お客様が求めていることを逆算することから考える」というもの。

確かに、アマゾンは非常に品揃えが豊富で、サイトも使いやすく、日本では翌日には商品が届くので非常に便利です。

「メディアとの話の中で競合先名を挙げている企業は、真の顧客中心会社ではない」

 

「競合を見るな、顧客を見ろ」という有名な言葉の一部です。素晴らしい言葉だと思います。

「アマゾンは発明や革新を進め、先駆者となる」
「長期的視野に立つ」
(引用:日経ビジネス「米アマゾン・ドット・コムのジェフ・ベゾスCEOインタビュー」)

 

ジェフ・ベゾス氏の言う「アマゾンはテクノロジー企業」という意味は、「テクノロジーで、顧客が驚くほどの利便性を実現する会社」と考えられます。

Kindleによって重い本を何冊も持ち歩く必要はなくなりました。

AWSは導入のしやすさ、導入初期コスト負担の少なさなどのメリットを提供しています。

 

一方でアマゾンは、強い販売力を盾に仕入先に対して価格交渉力が強く、取引事業者は利益を十分に得られないかもしれません。

また、ジェフ・ベゾス氏は倹約家であり、とても厳しい指導者なので、アマゾンで働く人たちは決して楽ではないと思います。

アマゾンの売上高は7兆円を超えています。しかし利益率は1%にも満たない。アマゾンが目先の利益よりも先行投資を優先することはよく知られています。株主は株価に見合う利益を実感できるのはまだ先になりそうです。

このように考えると、アマゾンを通じて一番メリットを享受しているのは、確かに顧客なのかもしれません。

 

孫正義の日本での勝算
ソフトバンクが日本の通信キャリア事業に参入する以前、日本の通信の世界はNTTの独壇場でした。

かつてNTTは、日本のインターネット環境をISDNという回線網で進めていました。当時のISDNの利用料は月額約1万円。かなり高価でした。

しかし、NTTの独壇場ですので、それがまかり通っていました。

そこにソフトバンクが、ADSLのベンチャー企業を買収し、月額2,980円という価格で参入しました。これによって日本のインターネット環境は爆発的な広がりをみせました。

ユーザーは雪崩を打ってADSLを使い始め、ついにNTTもISDNをあきらめADSLに移行しました。

さらに、ソフトバンクは携帯電話キャリア事業に参入するべく、日本テレコムを買収しました。

参入の秘密兵器として、日本テレコム買収以前からiPhoneの独占販売権をジョブズに取り付けていたと言われています。

これによって、NTTとKDDIは、本気で戦わざるを得なくなりました。つまり、巨人たちは事業者都合ではなく、顧客メリットをいやでも追求しなければなったわけです。
孫正義の海外での勝算
ソフトバンクは、Sprint社買収によってついに米国に進出しました。T-Mobileの買収は中断していますが、Sprintに続きT-Mobileの買収に動いたのは理由があります。

米国の通信キャリアは、Verizon とAT&Tが圧倒的なシェアを持っています。昔の日本と似ています。

一方で、米国に行くとわかりますが、米国の無線通信環境というのは日本ほどよくありません。

しかし、大手2社の独壇場で挑戦者もいない環境です。

「私は彼らに戦わせたいんです。そうすれば彼らも脂肪じゃなくて筋肉をつけるでしょう? それは米市民にとってもいいことです。」

 

「私はもっとハイスピードな技術を提案したいのです。最速で毎秒200メガビットです。これは固定線ブロードバンドよりさらに速いのです。私たちにはそれを可能にする技術があります。」

 

「われわれはヘビー級の体重にならなきゃいけませんよね? これはヘビー級の戦いですから。かよわい蚊ではいられませんよ。(蚊だと)彼らは私たちを無視するでしょう。」
(引用:logmi「孫正義 米メディアでのインタビュー」)

独占的環境下では、革新を進めずとも、労せずして利益を上げることができます。そこにソフトバンクが参入して第3の勢力となって通信環境をよくする。すると大手2社が本気で戦わなければならない状況になる。これによって通信環境が改善され、米国民にメリットをもたらす、というのがソフトバンクの考えです。

 

孫正義氏には世界一になるという目標があります。その実現のために、情報革命と人々のメリットを結びつける、という顧客志向が必要であることを熟知しているのではないでしょうか。

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